荒川流域ネットワークとは

代表理事 鈴木勝行

NPO法人荒川流域ネットワーク代表の鈴木勝行と申します。

荒川流域ネットワークは、1995 年に任意団体あらかわ流域ネットワーク実行委員会として発足し、発足と同時に身近な川の水質を自分たちで調べ、水質改善に取組もうと始めた流域の一斉水質調査は、今年で21年目を迎えました。

荒川流域の各河川は、全体的に見ると水質が改善されました。これは、流域の団体の皆様の水質改善への取組みの結果ではないかと思います。

各河川の水質の状況は水質マップにまとめて、毎年公表しています。
1998年からは、荒川での自然再生事業の開始と関連して、荒川本流中流域で不法投棄のゴミや自然環境の調査を実施し、事業への提案の基礎的な資料づくりを行いました。

2002年にNPO法人の認証を取得して活動も新たな段階に進みました。厳しい状態の時もありましたが、皆様の意思に支えられ活動は継続されてきました。
2006年から入間川・越辺川水系の天然アユの復活を目指して、溯上障害物になっている堰や床固め工の調査を開始。同時に溯上環境の改善を埼玉県の関係機関に働きかけ、知事にも要望書を提出して、環境改善に向けた活動を現在まで続けてきました。

埼玉県は私たちの提案を受け、昨年度から始めた「川のまるごと再生事業」において入間川にある8カ所の取水堰と床固め工に発生した落差を改善するための魚道の設置を進めています。埼玉県の自然再生事業が本格的に進展する中で、荒川流域ネットワークは、それらの事業への提案などで重要な役割を担う立場になってきました。
1950年以前のように夏場は天然アユで溢れるような川を復活させたいと思います。
2010年からは溯上環境の改善への取り組みと平行して、漁業組合の協力を得ながら、夏の風物詩であった川の地曳網を復活させ、子供たちに体験してもらう活動にも取り組んでいます。

地曳網のイベントについては、高麗川、都幾川、越辺川、入間川の地元の活動団体に全面的な協力をして頂き、開催してきました。これからも川の漁法を子供たちに体験してもらい、川をめぐる文化を継承していきたいと考えています。

惠代表の後を引き継ぎ、水質の改善、水量の復活、魚類生態系の復元を目指し、山、水田、まちづくりに取組んでいる地域の団体の皆様と連携して活動していきたいと思いますので、今まで以上のご協力をお願い申し上げます。