AIを使った調査地点移動の検出と検証

1.はじめに

水質調査のように毎年同じようなことを繰り返す調査では、調査地点の名称や緯度経度など、特別な事情がない限り変更されない属性データがあります。これらが変更になっている場合は、入力ミスや転記ミスなど誤りであることが多いです。前年度と今年度のデータを付き合わせることで、このような変更箇所を抽出することはできますが、データ処理に慣れていない人にとっては簡単な作業ではありません。

AIを活用することで、この作業を簡略化できないかと考え、全国一斉水質調査の調査地点の緯度経度データを例として、移動した調査地点の検出を試してみました。その後、移動した調査地点の移動理由(記入ミスか実際の移動か)を推測するために、移動距離の計測と移動地点の地図上での確認をAIの支援の下で行いました。本稿はこの作業の要点をまとめたものです。なお、AIの場合、同じ指示(プロンプト)を与えても、同じ結果が得られるとは限りません。同様のことを行いたい場合は、やり方の趣旨を理解したうえで試みてください。

2.サンプルデータ

今回利用したサンプルデータは、2025年6月に行われた全国一斉水質調査で荒川流域ネットワークが取りまとめを行った際の一次データです。これは27の参加団体や個人の報告データを集めた資料で、多くの間違いが含まれているものです。
表1はその元データから、地点記号の列と緯度・経度関係の6列を抜き出したものの先頭部分です。元データは222行42列のデータです。AIに読み込ませるとき、データが多いと分析に時間がかかってしまいますので、地点記号の列と緯度・経度関係の6列だけを抜き出した「緯度経度データ.xlsx」ファイルを使用しました。

表1 使用した時刻データ(緯度経度データ.xlsx)の先頭部分

このExcel書類には「2024」と「2025」の2シートがあり、2024年のデータと2025年のデータが収録されています。なお、「2025」シートには、結果の受け取り方法の指示を簡単にするために、あらかじめ「移動の有無」列を追加しておきました。

3.Copilotを使った地点移動の検出

Excelを立ち上げ、先ほどのサンプルデータ ファイル「緯度経度データ.xlsx」を読み込みます。次いで、Copilotのチャットを開始し、そのメッセージ入力欄に以下のプロンプト(指示文)を入力しました。

プロンプト

このブックのシートは、「地点記号」で表される地点の緯度経度データを、「緯度(度)」「緯度(分)」「緯度(秒)」「経度(度)」「経度(分)」「経度(秒)」の6つの列値で表記しています。「2024」シートは2024年データを、「2025」シートは2025年データをまとめたものです。
「2025」シートの「地点記号」で表されるすべての地点について、以下の結果を「2025」シートの「移動の有無」列に書き込んだ表を作成してください。
1. 同じ「地点記号」が「2024」シートにないときは、「×」
2. 同じ「地点記号」が「2024」シートにあって、緯度経度データがすべて同じときは、「〇」
3. 同じ「地点記号」が「2024」シートにあって、緯度経度データのどれかが異なるときは、「移動」

Copilotは入力を受け付けるとしばらく考え込んだ後、以下の回答を返してきました。

Copilot

ご要望通り、「2025」シートの各地点記号について「2024」シートと比較し、「移動の有無」列に判定結果(「×」「〇」「移動」)を書き込んだ表を作成しました。
・「×」…2024年に存在しない地点
・「〇」…2024年と緯度経度がすべて一致
・「移動」…2024年と緯度経度のいずれかが異なる
判定済みの表は、以下のExcelファイルからダウンロードできます。
緯度経度データ_判定結果.xlsx
ご確認ください。他にも集計や可視化などご希望があればお知らせください。

この回答内の「緯度経度データ_判定結果.xlsx」のリンクをクリックすると、判定結果表のExcelファイルがWindowsの「ダウンロード」フォルダにダウンロードされます。表2はこの判定結果表の抜粋です。全体は222行あります。


表2 Copilotによる移動の有無判定結果の抜粋

この「移動の有無」判定結果の該当件数をまとめると表3のようになります。


表3 移動の有無判定結果 ×:新規調査地点、〇:昨年と同じ場所

緯度・経度が変わっているのは17地点、今年度新規に加わった調査地点は4地点でした。

4.移動地点の詳細情報の取得

上のCopilotの回答の後ろに「移動した地点の詳細を教えて」というプロンプト文を表示したボタンがありました。これをクリックして、このプロンプトを入力すると、移動した地点だけのデータを抽出して、2024年と2025年のデータを並べた表「移動した地点の詳細一覧」を示してくれました。

そこで「『移動した地点の詳細一覧』について、値が変わっているセルの値を赤字にしてください」と依頼したところ、次の表4の表を作成してくれました。

表4 移動した地点の詳細(赤字強調

これを見るとほとんどは秒単位のずれで、大きくずれているのは3行目の1件であることが分かります。分単位のずれがあるということは、数値の記入ミスである可能性が高いです。

5.移動距離の取得

Copilotの場合、回答の後にボタン形式で次に依頼すると良いお勧めのプロンプト案を出してくれます。上の「移動した地点の詳細を教えて」もその1つでした。それ以外に「移動した地点の移動距離を計算して」というものもありました。そこで「上の移動した地点の詳細表を使って、移動した地点の移動距離を計算して」という依頼を行ってみました。その結果が表5です。

表5 移動地点の移動距離

移動距離を計算すれば、無視できる程度の違いか否か判断できる可能性があります。しかし、今回はそのようなわずかな違いは存在しませんでした。

6.地図を使って移動実態を把握

Copilotのお勧めプロンプトに、「地図を使って移動を表示して」というようなものもありました。そこで先の「移動した地点の詳細表」をExcelで表示し、以下のプロンプトを出してみました。

プロンプト

この表は地点記号で識別される地点の2024年と2025年の緯度経度を表しています。これらの地点がどこからどこへの移動かを地図上の矢印で示してください。

Copilot

ご要望の「2024年から2025年への各地点の移動を地図上の矢印で示す」可視化を試みましたが、地図画像の生成時に外部地図データの取得エラーが発生し、画像ファイルとしての出力ができませんでした。
ただし、各地点の2024年→2025年の緯度経度データをもとに、移動経路情報(矢印データ)はJSONファイルとして出力できています。
別の地図描画ツールや、Googleマイマップ等にこのJSONデータをインポートしてご利用いただくことが可能です。

そこで、Googleマイマップで移動地点を表示することとし、若干のやり取りの後、GoogleマイマップにインポートできるCSVファイルを作ってもらいました。Googleマイマップの使い方もCopilotに聞くことで比較的簡単に移動地点を表示するGoogleマイマップを作ることができました。このマップの一部を抜き出したものが、図1と図2です。ここで青のマーカーが2024年の位置、赤のマーカーが2025年の位置を表しています。

図1 調査場所が対岸に移っただけのケース

図2 川から離れた別の場所に移動(数値の入力ミス)

7.地点移動原因の推測

上で述べた地点移動地図を使うとかなりの程度まで地点移動原因を推測することができます。

(1) 緯度経度の修正
前年の場所より、川に近い、地点名称にある橋に近いなど、前年の緯度経度データをより正しいものに変更したと思われるケース。
 (2) 調査位置の移動
調査位置を川の対岸に移したなど、多少調査場所を変更したと思われるケース。地点名称も変更されている場合が多い。
(3) 転記ミス
単純な入力ミスや他の調査地点の緯度経度を誤って記載したりしたケース。

上で検出された17個の移動地点について、上の3ケースに分類すると、以下のようになりました。

表6 原因別移動地点数

結局、修正しなければならなかったのは、転記ミスの5件だけでした。

8.むすび

本稿では、2時点の緯度経度データを使って、移動した調査地点の検出をAIで行いました。指示内容がシンプルであったこともあり、このケースでは1回の問い合わせで移動地点の検出を正しく行うことができました。

2時点のデータのマージは、vlookup() 関数を使えば比較的簡単にできることではありますが、ITに詳しくない利用者には難しい作業です。AIを使えば、誰でも自然文で指示するだけで、このような作業を簡単に行うことができます。ここで使用したやり方は、調査結果の異常値の検出などにも応用できるものであり、多くの分野で活用できると思われます。

また、本稿では単に移動地点を検出するだけでなく、移動が発生した原因(意図的な修正か、入力ミスかの識別)の推測にGoogleマイマップを併用する方法も紹介しました。このような複数ツールの連携による分析は、これまでは専門のリサーチャー以外には難しいものでした。AIが出してくれる「お勧め」と「やり方紹介」のおかげで、ツールの知識がない人でも比較的容易に取り組むことができるようになったように思われます。

AIを使った時刻表記の統一

1.はじめに

Excel表で時刻を表記するとき、通常は「9:30」といった半角文字で表します。しかし、見かけは同じ「9:30」でも、文字列の場合、Date型の時刻値の場合、Date型の年月日付き時刻値の場合など、種々の異なる値があり得ます。更に、Excelに慣れていない入力者の場合は、半角文字でなく全角文字を使ったり、「:」(コロン)の代わりに「;」(セミコロン)を使ったりすることもあります。そのため、多数の入力者のデータをまとめるとき、時刻表記の統一は結構手間のかかる作業になります。

そこで、AIを活用することで、この作業を簡略化できないかと考え、試してみました。本稿はこの作業の要点をまとめたものです。なお、AIの場合、同じ指示(プロンプト)を与えても、同じ結果が得られるとは限りません。同様のことを行いたい場合は、やり方の趣旨を理解したうえで試みてください。

2.サンプルデータ

今回利用したサンプルデータは、2025年6月に行われた全国一斉水質調査で荒川流域ネットワークが取りまとめを行った際の一次データです。これは27の参加団体や個人の報告データを集めた資料で、多くの間違いが含まれているものです。

表1はその元データから、地点記号と時間(調査時刻)の2列を抜き出したものの先頭部分です。元データは222行42列のデータです。AIに読み込ませるとき、データが多いと分析に時間がかかってしまいますので、「時刻表記の統一」に必要な「地点記号」列と「時間」列の2列だけを抜き出した「時間データ.xlsx」を使用しました。

表1はその元データから、地点記号と時間(調査時刻)の2列を抜き出したものの先頭部分です。元データは222行42列のデータです。AIに読み込ませるとき、データが多いと分析に時間がかかってしまいますので、「時刻表記の統一」に必要な「地点記号」列と「時間」列の2列だけを抜き出した「時間データ.xlsx」を使用しました。


表1  使用した時刻データ(時間データ.xlsx)の先頭部分

結果の受け取り方法の指示を簡単にするために、あらかじめ「修正済時間」と「修正理由」の2列を追加しておきました。

3.Copilotの起動

Excelに標準搭載されているAIはCopilotです。「表全体の自動生成など」の高度な機能を使わない限り、Microsoft 365 ユーザは追加費用なしに使えるということです(2025年11月現在)。

Copilotが使えるのは、One Drive(Microsoftのクラウド ストレージ)に保存されているExcelファイルの上だけですので、「時間データ.xlsx」ファイルを One Drive 上にコピーしてから使用しました。

Excelで One Drive 上の「時間データ.xlsx」ファイルを読み込み、Copilotを使用するには、Excelの「ホーム」リボン上の「Copilot」ボタンを使います。


図1 Excelの「ホーム」リボン上の「Copilot」ボタン

ここのCopilotには、「チャット」と「アプリ スキル」の2種類がありますが、ここでは「チャット」の方を使いました。「チャット」をはじめると図2のサイドパネルが画面の右端に表示されます。


図2 Copilot サイドパネル

4.Copilotを使った時刻表記の統一

先ほどのサンプルデータ ファイル「時間データ.xlsx」を立ち上げ、Copilotのチャットをはじめて、そのメッセージ入力欄に以下のプロンプト(指示文)を入力しました。

プロンプト

この表の「時間」列には、調査時刻の時分データが書かれています。以下のルールに従って「時間」列データを修正し、正しい値を「修正済時間」列に記入し、修正した場合はどのルールを適用したか(例:5(先頭の0除去))を「修正理由」列に書き込んでください。
1. 「11:55」のような「時:分」形式(半角コロン、半角数字)が正しい書式。
2. 全角文字は半角文字にする。
3. セミコロン「;」は半角コロン「:」に変換する。
4. 日付付きデータは「時:分」のみ抽出する(例:2025/6/11 9:55:00 → 9:55)。
5. 先頭の「0」は除く(例:「08:45」→「8:45」)。
6. 修正できない場合は「修正不能」と記載する。

Copilotは入力を受け付けるとしばらく考え込んだ後、以下の回答を返してきました。

Copilot

ご依頼の「時間」列データ修正を、指定された6つのルールに従って実施しました。修正済みデータは「修正済時間」列に、適用したルールは「修正理由」列に記載しています。修正結果は新しいExcelファイルとして保存しました。
修正内容例:
・全角数字や記号を半角に変換(ルール2)
・セミコロン「;」をコロン「:」に変換(ルール3)
・日付付きデータから「時:分」のみ抽出(ルール4)
・先頭の「0」を除去(ルール5)
・正しい書式でない場合は「修正不能」と記載(ルール6)
修正済みファイルはこちらからダウンロードできます:
時間データ_修正版.xlsx
ご要望に応じて、修正内容の詳細や個別データの確認も可能です。何か追加でご希望があればお知らせください。

この回答内の「時間データ_修正版.xlsx」のリンクをクリックすると、修正版のExcelファイルがWindowsの「ダウンロード」フォルダにダウンロードされます。表2はこの修正結果表の抜粋です。全体は222行あります。


表2 Copilotによるデータ修正結果の抜粋

「時:分」形式に変換できなかったのは、地点番号「Ma8」の「9::30」だけでした。コロンを2つ続ける時刻表記は存在しませんから、これは止む得ないでしょう。それ以外はすべて期待通りに変換できました。修正理由欄をみると、1つのルールだけで変換できたものもありますが、2つのルールを適用してやっと変換できたものもあることが分かります。このように修正理由も付けることができる点は、Copilotの優れたところだと言えます。

5.修正内容の分析

表2に登場した修正理由別に該当件数をまとめると表3のようになります。


表3 修正理由別件数

これを見ると「書式確認のみ」は222件中129件と約半数で、非常に多くの入力データを修正せざるを得なかったということが分かります。そのうち「日付削除」や「先頭の0除去」と書かれた3項目30件は、文字列ではなくDate型データが使われていたケースで、必ずしも間違いというわけではありませんが、文字列とDate型データが混在すると、大小比較で問題が発生したり、表示が乱れたりします。これらの表記も統一すべきでしょう。

なお、全角文字利用が58件と約3割あり、「コロン」でなく「セミコロン」が使われたケースも7件ありました。これらを人間が目で見分けて修正するのは結構大変です。AIを利用した時刻表記の統一は、極めて有効であると言えるでしょう。

6.プロンプトの作成方法

ここで利用しましたプロンプト(AIへの指示文)は、上で見せましたようにかなり複雑なものです。最初からこのような複雑なプロンプトを与えたわけではありません。最初は以下のような単純なものでした。

最初に使用したプロンプト

この表の「時間」列の値を「11:55」のような「時:分」形式に直してください。

このプロンプトで得られた修正データをみて、修正ミスや修正し足りないところを指摘するということを何回か繰り返して、ようやく望ましい結果が得られるようになりました。そのときに「最初の表からこの結果を得るには、どのようなプロンプトを用意すればよいのか?」とCopilotに聞いたところ、上に引用しましたような箇条書きルール付きのプロンプトを教えてくれました。このようにプロンプトの作成にもAIを活用することができます。

7.むすび

調査データの集計では、しばしば不慣れな人たちによって書かれた多様な表記の時刻データの統一が必要になります。本稿では、この表記の統一にAIを使用した経験を紹介しました。結論的にいえば、十分に精査されたプロンプトを用意すれば、AIを使うことで時刻表記の統一を簡単に行えるといえます。

ただし、AIの場合は同じプロンプトを用いても、毎回同じ結果が得られるわけではありません。本稿で示したように、修正理由を表示させるなど工夫をして、結果の正当性を確認することが重要であると思われます。

なお、AIは日々進化しています。このため遠からず、上で紹介しました「最初に使用したプロンプト」でも正しい結果が得られるようになることでしょう。

補足:Google Gemini を用いた時刻表記の統一

本稿と同じデータを用いた時刻表記の統一を、Google AI StudioのGeminiを使ってやってみました。こちらの方は、上の「最初に使用したプロンプト」だけで、「9::30」を「9:30」に直すことも含めて全件を1回で修正してくれました。この時刻表記の統一に関する限りは、GeminiはCopilotより優れているといえそうです。しかし、別のデータチェックでは、途中までは正しくエラーを検出していたのに、その後は誤りだらけという結果になったものもありました。

Geminiは創造性を期待するような応用には強力でしょうが、「表記の統一」のような機械的な作業については、Pythonプログラムを生成して、一律に適用するというCopilotの方が安心なのではないかという印象をもっています。ただし、Google Spreadsheet 上で使える Gemini(有償版)はまだ試していませんので、この評価は暫定的なものに過ぎません。

AIを使った調査データの検証

荒川流域ネットワークでは、毎年、20を超える団体や個人の協力を得て、水質調査を行っています。そのとき、これらの団体から調査結果を所定の形式のExcel表で提出してもらい、それらをまとめて水質調査マップを作成するとともに、全国水質調査委員会に報告を行ってきました。

各団体の担当者の中にはパソコンに慣れていない人も多く、日時や数値データを全角文字で入力したり、行を間違えて転記したりなど、誤りと思われるデータも少なくなく、提出されたデータの検証に多大な時間をかけなければなりませんでした。

最近、Excel上でも、CopilotというAIが使えるようになりましたので、それを利用することでこれらのデータ検証作業を軽減できないかどうか試してみました。

(注)2025年1月26日から、Microsoft 365 のユーザであれば、Excel上で Copilot (Microsoft の AI) が追加料金なしに使えるようになりました。このCopilotは、Windowsに付属しているCopilotの上位版で、ExcelなどのOffice製品と連携できるものです。

詳しくは、以下の2つの記事をご覧ください。

荒川流域ネットワークでは、水質調査結果の時系列データベース化を行っており、その作業の一環として上記と同等のデータ表記の統一とデータ検証を行ってきました。これにはSQLやJavaScriptなどのプログラミング言語の使用が必要で、ある程度の専門知識がないと同様のことを行うのは難しいという悩みがありました。

今回の経験から見ますと、今日のAIはかなり正確に自然言語を理解できるようになっており、ITにそれほど慣れていない人でも使いこなせるレベルに達してきていると思われます。データ検証のようにターゲットがはっきりしているものについては、AIを活用することで、比較的簡単に労力を大幅に減らすことができそうです。

ミーティング「表示名」の変更方法

Zoomにユーザ登録している利用者の場合、ミーティング画面上には最初に登録した表示名が表示されます。ミーティング毎に表示名を設定するには、以下のように、ミーティングに参加してから「表示名」を変更すれば良いです。なお、Zoomにまだ登録していないユーザの場合は、ミーティングに参加する際に、名前の入力を求められますので、そのときに適切な表示名を入力するようにしてください。

「表示名」の変更方法

Windows PC:自分の映像の上で右ボタンクリック または 自分の映像の右上の「…」マークをクリック → 「名前の変更」を選ぶ。または、「参加者」ボタンをクリック→自分の名前の行をクリック→「名前の変更」を選ぶ。
Macintosh:自分の映像の名前の上にマウスポインタを近づけると出現する「…」をクリック →「名前の変更」を選ぶ。または、「参加者」ボタンをクリック → 自分の名前の行にマウスポインタを近づけると出現する「詳細」をクリック →「名前の変更」を選ぶ。
Android スマホ・iPhone・iPad:「参加者」ボタンをタップ→自分の名前の行をタップ→「名前の変更」を選ぶ。

Zoomを初めて利用する人へ

Zoomは比較的簡単に利用できるオンライン会議用アプリです。ここでは初めて利用する人を対象に、アプリのインストールからミーティングへの参加と退出までの概要を説明します。

1.Zoomアプリのインストール

スマホやダブレットを使用するときは、「App Store」または「Play ストア」で「zoom」を検索し、「ZOOM Cloud Meetings」をインストールします。

パソコン(Windows PCやMacintosh)を使用するときは、 Googleなどで「zoom ダウンロード」を検索し、Zoomダウンロードページ(https://zoom.us/download)を開きます。ここで「ミーティング用Zoomクライアント」をダウンロードし、それを起動してインストールします。

このインストールには誕生日とメールアドレスの入力が必要です。サインアップ(会員登録)やサインイン(登録者の入室)は、自分で会議を主催するのでなければ必要ありません。これらのボタンは押さなくて良いです。

インストールが終わりましたら、アプリを開いて下さい。「カメラへのアクセス」などの許可が求められましたら、OKを選んで下さい。「他のユーザの音声」には「インターネットを使用した通話」を選びます。「ミーティングの開始」ページ(「ミーティングに参加」のボタンがあるページ)が表示されれば、アプリは立ち上がっています。一旦アプリを終了して下さい。

なお、Macintoshをお使いになる方は、アプリケーションの許可が必要なようです。「MacにZoomをインストールする方法」といった文字列で検索して、やり方を調べてください。

2.テスト ミーティング

パソコンを使ってZoomミーティングを行うとき、マイクやビデオ(カメラ)の動作不良でトラブル人が多いです。スマホやタブレットを使う場合は、ほとんど問題が起きません。スマホやタブレットを使う人はこの項目を飛ばして結構です。

Zoomには1人でマイクやビデオの調整を行えるテスト ミーティングの仕組みが備わっています。このテスト ミーティング(https://zoom.us/test)について「Zoomの接続テストをする最も簡単な方法」というWeb記事があり、詳しく解説してくれています。Zoom利用にパソコンを使われる方は、以下のサイトを参考にすると良いでしょう。

https://zoomy.info/zoom_perfect_manual/joining/zoom_test/

3.Zoomミーティングへの参加

本番のZoomミーティングでは、その開催通知メールにURLとミーティングIDとパスワード(またはパスコード)が書かれています。メールを受け取る端末とZoomを使う端末が同じ人は「URLを使った参加」を、それ以外の人は「ミーティングIDを使った参加」を行ってください。

(1)URLを使った参加

開催通知に書かれたURL(https://zoom.us/j/…. というアドレス)を開きます。メーラが対応していれば URL をクリックすれば開きます。さもなければ、URL文字列をコピーし、ブラウザを開いてそのアドレス欄に貼り付けます。Zoomで開くか、ブラウザで開くか聞かれたときは、「Zoom」を選んで下さい。ブラウザで開いたときは、表示ページ上の「ミーティングに参加する」ボタンを押して下さい。

「名前を入力してください」と表示されたときは、自分の名前(あるいは、ミーティングで指定された形式での表示名)を入力して下さい。これでミーティングに参加できます。

(2)ミーティングIDを使った参加

Zoomアプリを起動して、「ミーティングに参加」ボタンをクリックし、ミーティングID欄に通知された番号(空白は不要)を入力し、名前欄に自分の名前(あるいは、ミーティングで指定された形式での表示名)を入力して、「ミーティングに参加」ボタンを押します。次いでパスワードの入力が求められますので、通知されたパスワードを入れて下さい。これでミーティングに参加できます。

4.Zoomミーティング画面での操作

(1)ミーティング画面とは

ミーティング画面とは、参加者の映像が表示されている画面です。ミーティング中はこの画面を主に使用します。

(2)ミーティングコントロールとは

ミーティング画面に表示される操作ボタンを集めた行(ツール・バー)のことです。ミーティング画面にこのコントロール・バーが表示されていないときは、ミーティング画面上をタップする(クリックする)と表示されます。

(3)ミーティングコントロール上のボタン

コントロール・バー上には、使用する端末の機種により若干の違いがありますが、だいたい以下のようなボタンが用意されています。

(1) 赤字の「退出」または「終了」→ ミーティングから退出する
(2) マイク/ヘッドホンのアイコン → マイクの使用/不使用を変えるボタン
赤斜線が引かれていれば「ミュート」(マイクが使えない)状態です。クリックする(タップする)と赤斜線が消えてマイクが使える状態になります。
(3) ビデオのアイコン → 顔を映すビデオの使用/不使用を変えるボタン
赤斜線が引かれていればビデオが使えない状態です。クリックする(タップする)と赤斜線が消えてビデオが使える状態になります。
(4) 「参加者」 → 参加者の名前の一覧表示
(5) 「共有」 → 画面共有を行う
(6) 「リアクション」→ 挙手などのボタンを表示(Windows PC, Macintosh)
(7) 「…」または「詳細」 → 挙手、チャット などのメニュー表示(機種により内容が異る)

5.ミーティングコントロールを常に表示させる方法

Zoomに慣れるまでは、ミーティングコントロールを常に表示させておくことが重要です。さもないと、何か操作を指示されても、押すべきボタンが見つからないということが起きます。

このような設定の変更はミーティング参加前に行うべきものですが、参加する前の画面はZoom登録ユーザと非登録ユーザで異なり複雑になります。そこで、ここではミーティングに参加した後の設定変更方法を説明します。

Windows PC・Macintosh:ミーティング画面左上の緑のチェック・マークをクリック → ミーティングルーム情報表示 → 右上のギア・マークをクリック → 設定画面 → 「一般」タブを選択 →「ミーティングコントロールを常に表示」のチェックをオンにする。
Android スマホ・iPhone・iPad:(ミーティングコントロールが表示されていないときは画面上をタップして表示) ミーティングコントロール右端の「… 詳細」をタップ → 「ミーティング設定」を選択 → ミーティング設定画面 → 「ミーティング操作(または、ミーティングコントロール)を常に表示」をオンにする。

6.Zoomミーティングからの退出

Windows PC・Macintosh:右下の赤い「終了」ボタンをクリック →「ミーティングから退出」をクリックする。
Androidスマホ・iPhone:ミーティング画面の右上の赤い「退出」ボタンをタップする。
iPad:ミーティング画面の左上の赤い「退出」ボタンをタップする。